まず、はじめに。
ミストレス、女王を職業として目指す女性にとって、何か参考になることがあればと思い、これを書き始めました。
私が女王を目指し始めた頃、どうやってSMを始めたら良いのか、分かりませんでした。
女性上位のSMという世界に惹かれ、ミストレス、女王という存在に憧れを持ち、この世界に踏み込もうとしたものの、女王とはいったい何をする人なのか、具体的にどうやって人を支配するのかが分からなかったのです。
当時の私の周りには直接話を聞けるような人はいませんでしたし、ネットを探しても私の知りたかった肝心な部分は、ほとんど載っていませんでした。
そして、そもそも私は特別に何かしたいこと・したいプレイがあったわけではなく(行為を目的としていたわけではなく)女性上位という関係性を求めていたのだと思います。
だけど、SMについてとなると、行為と関係性をごちゃ混ぜにして話していたり、書かれていたりすることが多かったので余計に混乱していたのでしょう。
でも、それに気付いたのは、少し後になってからです。
まずは、自分自身が何を求めているのかを理解することは、M側だけでなく私たちにとっても必要なことです。
どんな関係性を求めているのか。
もしくは、どんな行為をしたいのか。
何を与えたいのか。
その先に何があって欲しいのか。
何を見たいのか。
私の場合は関係性や求める存在のイメージ・自分がなりたい存在としてのイメージが先にありましたが、具体的にしたいことがはっきりと決まっていても良いし、漠然とした憧れやイメージでも良いと思うのです。
もちろん無理に考える必要も、決める必要もありませんが、自分で整理して把握しておくとマゾとのコミニュケーションがスムーズになったり、プレイを楽しむための方向性を決めやすくなるので、自分の求めるものを得やすくなると思います。


ミストレス、女王に必要なもの
私は職業としてミストレス、女王を長くやって来ましたが、仕事だからというわけではなく、私個人の元々のSMに対する考え方として、女王(S側・責める側)はマゾ(受ける側・委ねる側)を導く存在だという意識が強くあります。
尊敬する女王様から、この世界に入って最初に言われた言葉を、今でもはっきりと覚えています。
「女王様に必要なのは母性よ」
確かにそうかもしれないと当時は思いました。
母性という言葉の他に上手く説明できるものが私の中になかったのです。
そして、その女王様もきっと、分かりやすく誰にでもイメージしやすい言葉を選んだら「母性」だったのだと思います。
今の私は、「母性」がなくたって良いと思っています。
人の欲望を見つけ
引き出し
導く、
そんな強さ。
人の秘密を預かり
見守ることのできる、深さ。
それらがあれば、母性でなくても良いと思うのです。
「秘密とは、生きる苦しみと悦び」と言ったら大袈裟でしょうか。
でも、時にはそれくらいに大きく膨らんでしまうこともあります。
ずっと預かることも肩代わりすることもできないけれど、ほんの一瞬だけは共有してあげる、手放させてあげる、それこそが女王の役割だと思っています。
これは私の考え方、目指すものです。そうではない方もたくさんいると思いますが、この考え方が前提としてあったから、私は職業としてもやって来られたのだと思います。
ですから、特に職業として目指す方には片隅で良いので心に留めておいてもらえたら嬉しいのです。
女王が必要とされるのは、なぜなのか。
女王が女王でいられるのは、なぜなのか。
大の男を言葉ひとつ、目線ひとつで、丸裸にし跪かせることができるものは、決して恐怖でも興奮でもありません。
彼らは愛や畏れをもって、自らの意思で無防備な心身を差し出し、私たちの足下に跪くのです。
それを見下ろす瞬間は、とても心地よい瞬間です。
ミストレスという生き方を選ぶ方たちには、そんな瞬間をたくさん味わって欲しいと思います。
Mistress Q




